俺の友達は怪物くん

ここ数日はいろんなことがあった
あの男が東北から南下してきたからな

3日前のことだ
会社のトイレで脱糞していたら 彼から電話があった
「俺もういるよ」 思わず出してる途中のうんこ途中で切ったよね電話は切らなかったけど

で、新宿でうまい焼きとんあまり知らなかったから新規開拓
伊勢丹裏の沼田ってとこなんだけど 正直度肝を抜かれた なめていた俺は
まず伊勢丹に蔓延る人間が嫌いだから

秋元屋に匹敵するうまさだった 特にマルチョウ、つくね、レバテキ
あんな都市部であれだけのクオリティの肉を食わせてくれるとは 恐れ入った
今度はカメラ持参で行こうと思う


その後数年ぶりに和民んちなんか行っちゃったりして
新メニューかなんかで 手まり寿司というものを注文したよ
そしたら仰天! あの男が寿司を握りだしたよ! 脇でね!
ずっと車屋さんで働いていると思ったけど 寿司屋だったんだね ミートに習ったのかな
結果 店員に出て行けと言われたよね 和民なのに!!



2日目 手まり寿司の親方とスタジオへ行ったよ
彼とスタジオなんて何年ぶりのことだろうか とりあえずオリジン食ったよ
最初の2時間はだらだらと過ごしたんだ ドラム叩いたり デブラの陰口叩いたりして

で、最後の1時間 俺らは本気になったね
あんなに本気になったのは 小2の運動会の徒競争以来のことさ
まっさらな状態で曲を作ったんだ 二人で汗びっしょりになってね

気持ちは10代だけど培ったものは20代といういいとこどりでね
とても満足のいく曲ができたよ

http://15b.in/oto/100429/temarizushi.wma



技術も時間もいらなかった やっぱりロックって
単純なひとつだけのコード進行なんだけど メリハリがあるんだ 
手まり寿司のように甘酸っぱいんだ
この歳になり初期衝動に縋るのって キモカワイイよね
彼と会うたびに曲を作りたいと思う きっと5年もあればアルバムが出来るよ 
宮古TSUTAYAに置くんだ レンタルで

暇な人はこの曲に隠されている2つの日本語を探してみるといいよ お寿司の缶詰当たるから
ヒントは、 アボガドじゃないよ
親方はこの日も沼田に行ったらしいよ 好きだね
同行したデブラは2時間でハイボール11杯飲んで 新記録を打ち出したらしいよ



3日目の昨日で俺らは爆発した
ブタラのせいで大嫌いな渋谷で飲むことになったんだけど
渋谷は高くてエセおしゃれでまずい店だらけだから 適当に入ることにした
そこで入った鉄板焼き屋が良かったよ 店名は覚えてないけどね

土屋アンナ似の店員がいい人でね
俺らの悪ノリに店ぐるみで便乗してくれたよ
手まり寿司の話をしたら 店の新メニューに加えてくれることになったんだ
つまり 俺らのプロデュースってわけ


店長が握ってくれた彼なりの手まり寿司は 本家に負けず劣らず最低なものだったけど
悪いから食ったよ 気になる人は行ってみるといい 
「吉安特製 手まり寿司」というメニューが汚い字で張ってあるから
でも、それを頼めるのは俺らだけだからそこんとこヨロシク!
店長と握手をしてその店を出たら
なぜだかデブラが横断歩道を踊りながら歩いている始末さ!
収集がつかないからクラブへ行くことにしたんだ


そしてお目当てのクラブに入ると デブラが開口一番
「ここはアホの縮図だ 何がおもしれーかまったくわかんねー」
と言い出したんだ 彼の顔を見るたびその台詞を眉間に皺を寄せながら言うもんだから
しょうがなく連れて出たよ

で、もう空は明るみはじめてたから帰ることにしたんだけど
長年の疑問をデブラにぶつけてみたんだ 
「デブラなんで生きてんの?」
すると誰も想像できない答えが返ってきた
「帰りたいから」
日本語や会話の概念を覆す奇抜な答えだね 彼はガリレオ以来の天才さ
すべてのお笑芸人は彼に弟子入りするべきだね



まったく 俺の友人は皆 人間的魅力に溢れ頭がおかしく才能がありチャーミングだ
毎度のことだが 会社の人々等のしょぼさが際立つ
彼らは毎日ださい服を着て つまらん事を言い 糞みたいな音楽を聴き 肩で風を切って歩く
30過ぎているのに自分が見えていない

本当に目が死んでいるし言動でつまらなさがひしひしと伝わるんだ
デブラじゃないが 俺は彼らと関わらないために生きている
勿論飯を食うためにある程度は関わらなければならないが その辺は本当に最低限にすることが可能だ
それでも十分仕事はできるし出世もできる 適職ならば



歳をとるごとにこういった思いは強まっていく 普通逆だよね
社会に出て自分はしょぼかったと認識し夢を諦め田舎へ引っ込むものだ大抵は

人は皆平等で どんな奴にでも魅力はあり尊重すべきという考え方は間違っている
人間はそもそも生まれながらに不平等なのだからしょうがないし
例えば中途半端に声が渋いなどの魅力など俺の連れの多大な個性に比べたら塵以下のしょぼさだ
スケールが違うのだ 個性であるのなら突っ切っていなければ 面白くなければそうは呼べない
半端なものはただの”特徴”である



人間の本当の魅力は文章には書けないものが殆どであるが それを感受できる人間がまた少ない
そういった一見わかりにくく社会的ではない魅力こそが真の意味での個性なのだ
会社の奴らはそれが自分にもあると思い込んでいるし評価し合う
からしたら全員が道端の石ころみたいなもんだ 糞つまらん 気持ちが悪い
結果地味なつまらんブスが美女で才女で面白い奴ぶって楽しく生きていたりする
宮古の人間の中にこいつを投下したら本当に空気以下の存在なのに

事実そいつに宮古人の奇行を話したことがあるが 全く理解ができていない様子だった
中途半端なものしか理解できんし好きなのだろう
本当に面白かったり凄いものは理解しようとしないのだ 
勿論奴らにはそれが出来ないししょぼさに気づかなくてはならないからだ
糞でいることに満足し上を見ずしかし自信があり楽しみしょぼさを露呈する事に恥を感じず自意識過剰
勿論社会的才能や運 バイタリティがあるわけでもない 
しかし自信と言い訳だけはいっちょまえだ 本当に命が勿体ない
自分を見つめなおし慎ましく生きるだけの器すら無いから始末が悪い



俺も昔は会社の奴なども平等に扱っていたが 奴らは調子に乗り俺を迫害してきた
同時に 人間の魅力というものがわかってくればくるほど 奴らと俺らの違いは明確になるばかりだ
まさに逆・井の中の蛙状態さ
奴らを認め凡人になりきる生き方じゃ面白くないし何の意味もない
何故あれだけつまらん人間が形成され集まるのか 現代社会がろくでもないのは必然である
会社の奴会社の奴というが 高校、バイト時代の奴らもほぼ全部つまらなかった 
宮古人と希少な数名だけだ


特にに宮古市には何故ものすごい人間ばかりが生まれたのか 最近では冬の海で難破して無事帰ってきたものもいた 
これだけは言っておきたいのは 
会社の奴らがよく言う 会社の人は友達じゃないから仲良くしないといったものとは次元がまったく違う
奴らの場合 結局その友達もしょぼださいじゃないか そもそのその本人が糞だ
低レベルな同調から来る思い込み以外の何ものでもない
頭が弱すぎる 同等同士仲良くしときゃいいのに



兎に角俺は正直な人間だ
微妙な人間とは関わるだけ無駄だと思っている ストレスが溜まるだけで何も得るものがない
コネに使えたり金がもらえるなら別だが 勿論そんな人間にそんな力は無い
そこに身を置ける人間は所詮その程度だということだ



今後俺はコメディアンかミュージシャンかデザイナーか無職か死ぬかのどれかにしかならないと思うが
どうなっても昔からの友達以上の人間達には会えないと思う



俺は本当にいい友達を持った